“MIGRANT IN JAPAN” 日本の現状

前回の投稿に引き続きまして、GNLF8期メンバー、9月にメキシコ渡航予定の中島くんが移民について調査してくれました!本日は国際問題を語るには足元からね、ということで日本と移民についてです。それではどうぞ!

日本の外国人受け入れの現状

 在日外国人の数は戦後増加していきましたが、1980年台後半のいわゆるバブル景気で起こった国内の労働力不足を補った頃に急増しました。それ以降もほとんど常に増加を続け、2015年には2,232,189人が日本に在留しています(法務省「在留外国人統計」より)。彼らの多くは日本で生活する上で働く労働者でもありあますが、その形態は多様であり、多くの就労上・生活上の問題を抱えている人々も存在します。

以上を念頭に、本稿では在日外国人を在留資格別に就労形態を紹介していきます。2015年現在、法務省入国管理局は27種の在留資格を設け、そのいずれかに適合する場合のみ外国人の日本在住を認めており、厚生労働省は、そのうち外国人労働者たりうるものを大きく、就労目的で在留が認められる者、身分に基づき在留する者、技能実習、特定活動、資格外活動の5つに分類しています。

「社会実情データ図録」より抜粋
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1.就労目的で在留を認められている者

このうち特に高度人材に注目すると、2012年に高度人材に対するポイント制がスタートしており、活動内容の特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設け、ポイントの合計が、一定点数に達した場合に、在留資格が付与され、出入国管理上の優遇措置が与えられます。例として優遇を受けるためには70ポイントが必要となりますが、高度専門・技術分野においては博士号に30、修士号に20、大学卒業に10ポイントが付与され、年収に関しては29歳までなら400万円以上の年収があるときに10ポイントで、最高は、1000万円以上に40ポイントが付与されます。これら高度人材の受け入れにより、企業による日本人学生の新卒採用が減少するなどという指摘があるように、年収や職業の観点から、日本人の平均よりも高い生活水準にあると言えます。

2.身分に基づき在留する者

「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」が該当し、具体的には、日系人、インドシナ難民、中国帰国者(中国残留孤児・残留婦人、日系中国人2・3世)などがいます。彼らは日本国内での活動に制限がなく、日本人と同等な職業選択の自由を有する。永住者と定住者に焦点を絞って考えると、永住者と定住者については甚だ曖昧な定義で、その要件をみると、永住者は法務大臣が永住を認める者、定住者は法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者と規定されています。現在、「定住者」に在留資格を変更するもので一番多いのが身分上の変更、たとえば、「日本人の配偶者等」からの申請等が多数を占めています。外国人女性が日本人男性と結婚した場合、「夫が日本人だから」という身分だけが、「日本に住んでもよい」という法的根拠であり、夫が亡くなった場合に国外退去を迫られる可能性がないとは言えません。定住者ビザは、そうした場合に対応できるよう設けられている在留資格です。

3.技能実習

まず大前提として、技能実習生に企業側から期待されるのは低コストで供給される労働力であり、実習生が求めるのは自国では得られない額の賃金ですが、技能実習生となるためには一定期間研修生として研修を行う必要があります。研修生は労働者ではないため、労働基準法は適用されず、賃金は「研修手当」として月5~8万円支給され、また残業は認められていません。実習生になると労働者として残業も可能になり、労働基準法の保護の対象として最低賃金が適用されます。技能実習は本来開発途上国への技能移転を目的とした制度であるはずですが、実際には帰国後に修得した技能を生かせない職につくことも多いらしく、彼らは実質的に労働力を確保できない中小零細企業による労働力補填要因になっているのではないかという指摘もあります。特に後者の実態は実習生への待遇悪化を招いていると考えられ、彼らへの人権侵害が生じています。例えば、法定最低賃金を下回る低賃金の問題やパワハラ、パスポートや貯金の強制預け入れ、不十分な安全対策による死亡事故、賃金不払い等2000件以上の労働法違反などが報告されています。しかし実習生は雇用者を告発すると自身が帰国せざるをえなくなるため、こうした不当行為を告発できない立場にあるのが現状です。

4.特定活動

日本は介護・看護分野での人手不足解消の切り札として、外国人介護士・看護師を受け入れています。しかし問題点として、彼らは日本で仕事を始めて三年後に国家試験を受験し、一発で合格しなければ帰国が義務付けられていますが、介護士試験の合格率は日本人が65%であるのに対し、外国人は36%で、看護師試験に至っては、日本人が90%であるのに対して、外国人はわずか10%であることが挙げられます。このため、試験に合格して日本で安定した生活を得たという成功例はごくわずかである点は改善されるべきで、合格者の就労継続の支援や、不合格者の再受験の支援の必要性が訴えられています。

5.資格外活動

これには留学生・就学生・家族滞在者・文化活動従事者・短期滞在者等のアルバイト等が該当します。彼らはもともと就労以外の目的で来日しているため就労資格を持ちませんが、資格外活動許可を得れば、風俗産業などいくつかの業種を除き本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内で(週28時間以内等)働くことができます。

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「社会実情データ図録」より抜粋。

6.その他

上記五つの厚生労働省による分類だけでは包摂されない外国人労働者も存在し、それがいわゆる不法就労者です。不法就労者には就労できない在留資格のみを保持するにもかかわらず資格外活動として就労している人々や、在留期間を超過しても滞在し就労している人々が該当します。法務省入国管理局による摘発と退去強制の強化によってその数は約20万人いた2005年頃に比べて大きく減少しましたが、2016年1月1日現在でも不法残留者は62,818人存在します。その構成は割合の高い順に韓国(21.4%)、中国(13.9%)、タイ(9.5%)となっており、以下は東南アジア諸国等が続き、彼らのほとんどは単純労働に従事していると推測されます。彼らは不当解雇や賃金不払い、労働災害の被害に遭っても法的に救済されないなどの甚だしい人権侵害が生じている上に、「不法」であるがゆえに搾取の事実が隠蔽されがちです。

以上のように在留外国人を分類して見てきましたが、日本社会の少子高齢化の進展と生産年齢人口の減少を考えると、労働者の数を維持するためには雇用の門戸を高齢者、女性、外国人にまで今以上に広げる必要があります。その意味では、我々が外国人と今後接する機会も増加し、それに伴い更なる摩擦が生まれることは容易に想像のつくことであり、それに十分対応ができるための第一歩として在留外国人に対して正しい理解をすることが求められるのではないでしょうか。

参考文献

依光正哲(2005)『日本の移民政策を考える-人口減少社会の課題-』、明石書店

上林千恵子(2015)『外国人労働者受け入れと日本社会』、東京大学出版会

http://www.cier.gunma-u.ac.jp/page5/no9/04_ochiai.pdf
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/foreigner-nurse_b_5795004.html

いかがでしたでしょうか。「日本は移民を入れない国」というイメージだけでなくデータを見てみると、多くの外国人がいることに気づきますね。街を歩く時にもふと外国人とすれ違う機会が増えていて、最近ではハラールフードを出すお店なんかもあります。外国人との共存は意外と身近な問題なのかもしれません。
こうした問題について今年メキシコで開催されるGNLFメキシコ会議では1週間世界各国のトップレベルの学生と「移民」をテーマに1週間にわたって議論してもらう非常に貴重な機会を皆さんに提供いたします。そしてその会議の参加者は日本で予選会を開催して決定するのですが、なんとこの選考会で渡航メンバーに選ばれると半分ほど渡航費が団体から援助されます。そのため非常に安くメキシコに行くことが可能となるわけです。

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